特別寄稿

見渡す限り白雪の野山もすっかり姿を消して草木が青々と茂り、桜が咲き、こぶしが咲き、まさしく北国の春となりました。私は5カ月間県内一のリハビリセンターで諸先生方の指導、心温まる世話をしてくれたナースの皆さん、スタッフの皆さんに励まされ、帰宅することになりました。退院という定義は全快又はその方向にあっての事を言うのだろう。しかし私は背負った病を十分承知しており、先生との相談で回復の目途を決め、訓練に励み、ほぽ到達したのではと先生との話でまとまり、お許しを得て退院することになりました。今後は当初の入院先で定期的に外来患者として、又妻を相手に訓練を重ねる所存であります。何はともあれ、センターの皆さん心から感謝とお礼を申し上げます。有り難うございました。

さて、入院期間で貴重な体験をしたことが幾つかあります。1つには患者同志が集まれば、でてくる言葉に、「こんな病にかかって残念だ」から始まり、次々と飛び出します。それに誰かが言った。「昔を考えて見ろ、この病気は嫌われ、放置され、不具者にされた者が沢山いた。それに比し、今はこんな立派な施設で有能なスタッフに恵まれ、訓練に励む事が出来るのは幸せだ。私たち患者がもっと交流し、理解し、助け合って行くべきだ。そして社会復帰にむけ頑張ろう」と言った言葉が、健康である人々では想像できない一コマであったと胸に刻み込んでいる。

2つには、クリスマスにツリーを何個も飾り、余興で全員楽しみ、小さかったが、ケーキがテーブルに並び、クリスマス気分を味わわせてくれたこと。

3つは、休日には食堂を開放して紅白に分かれて風船のバレー、ボール送り、輪投げのゲームで楽しみ、「四郎さん」、「次郎さん」、「奈良さん」、「タケ子さん」などと声援がとび、当人達は熱中そのもの。本当に楽しく、今もあの光景が思い出されます。訓練は決して楽ではなかったが、トータルには我が訓練に悔いなし、である。私の今後の目標は、体力の増進を図り、秋田百景の滝巡り、簡単な所からと食べ歩きをするつもりです。もしニツ井町方面においでの節は是非立ち寄って下さい。お待ちをしております。

(2002年4月、山本部ニツ井町・成田八男)

注:センタースタッフに当てられたものをご本人の御好意により掲載致しました。

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