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もの忘れ外来について

当センターでは、認知症高齢者が尊厳を保ちなから穏やかな生活を送ることができ、家族も安心して社会生活を営むことができるよう、認知症の早期発見や早期対応のため、「もの忘れ外来」を開設しております。「もの忘れ外来」は、専門医が対応しています。

イラスト:認知症の初期症状、時間や日付が不確かになった、置き忘れやしまい忘れが目立つようになった、以前にあった興味や関心が失われた、些細なことで、怒りっぽくなった

少しずつ年を重ね、普段の生活の中で「物や人の名前が出てこない」「最近忘れっぽくなってきた」「物をどこに置いたのかがわからなくなることがある」などと感じることがあるかもしれません。2011年に高齢化率が日本一となった秋田県でも、上記のような症状を自覚し不安になった方、また、認知症を疑われた方々が専門的な診断、治療やケアへの助言を求め、病院を受診することが増えてきています。
当センターでは、1997年の開設以来、認知症向けの病棟を持ち、専門知識を持つ医師・スタッフが治療を行っています。2001年4月からはもの忘れ外来を開設し、最近忘れっぽさを自覚するようになったなどの、認知症の初期から今後の生活を見据えた対応がとれるよう、診断、治療を行っています。

もの忘れ、というのと、認知症は違います。年を取り、少しずつ忘れっぽくなってゆくのは高齢になると普通の人でもあることですが、初期には認知症との区別が困難です。また、認知症にも色々なタイプがあります。多く知られているのはアルツハイマー型認知症ですが、その他にも脳の障害される部位や障害のされ方などによっても色々な分類がなされ、各々その後の経過やよくみられる症状、予後などが異なります。
それらを診断するために、当センターのもの忘れ外来では、症状が出現した初期の症状についても伺い、血液検査や頭部を詳しく精査する画像検査(CT、MRI、脳血流検査ができるSPECTなど)を使用し、早期発見、診断を目指しています。認知症の診断や程度を判断するため、医師、臨床心理士が記憶などの神経心理学的な検査も行います。

当センターの認知症診療では、発症早期の診断を主体とした診察・検査と、その後の経過に合わせた外来診療、入院診療を行っています。発症早期には短期間の検査入院などを、行動・心理症状の悪化や、対応に苦慮するような行動が出現した場合は、入院の上投薬調整、必要であればリハビリテーションを施行します。
リハビリテーションには、運動機能や体力の改善を目的としたもの、作業療法士が中心となり軽い運動とレクリエーション(おしゃべり、頭の体操、うたを歌う、等)を主としたもの、臨床心理士と行う回想法(人生の歴史や子供の頃の生活の話を振り返ることで刺激を増やし、認知症の予防や進行を遅らせる効果があると言われています)など、患者さんの状態に合わせたさまざまなものがあります。
当センター退院後の準備では、ご家族の希望・状況などについてもソーシャルワーカーと相談を行い、再度ご自宅での療養が可能か、または、他の介護施設・認知症診療を行う病院などへの入所・転院を検討します。現在、もの忘れ外来での診療とともに、100床の入院病床を利用しながら、本人にとって一番良い状態で在宅での生活が長くおくれるようにサポートをしています。

おかしいな?と思ったら

  • 物の名前、人の名前などが思い出せなくなった
  • しまい忘れる、どこかに置き忘れてしまうことがある
  • カギや財布、クレジットカードなど、大切な物を無くしてしまうようになった
  • 日付や場所などがわからなくなってしまうことがある
  • 同じ事を何回も尋ねたり、言ったりするようになった
  • お金の管理ができなくなる
  • お財布などを盗まれたといって騒ぐことがある
  • 以前よりイライラして、怒りっぽくなった
  • これまで好きだったテレビや日課などに興味を持たなくなる

認知症疾患医療センターにご相談ください。

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