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リハセンだより第20号(2003年7月発行)

2003年7月「県立リハビリテーション・精神医療センターの状況と当面の課題:精神科医療に関して」

当センターの2002年度の状況を紹介しますと、年間の精神科病棟(痴呆病棟100床、一般精神科病棟100床)への入院患者数は468名(2001年度は、417名)で、退院患者数は464名(2001年度は、392名)でした。痴呆病棟を除いた、一般精神科病棟のみでの入院と退院の患者数は、それぞれ、349名(2001年度は、337名)と348名(2001年度は、345名)でした。

これまでにもお知らせしておりますように、当センターは、県内唯一の「応急入院指定病院」ですが、2001年6月1日に全県で開始されました、「秋田県精神科救急医療システム」においては、県内の5つの「精神科救急医療圏」を担当する、当番病院または地域拠点病院をバックアップする、「全県拠点病院」と位置付けられ、困難なケースに対応して参りました。

2002年度に、この精神科救急システムに沿った当センターの利用が、209件ありました。その内、電話のみで相談に対応した件数は127件でした。実際に診察を受けられた患者さんは82名で、その内の44名が入院されました。また、精神科救急システムの時間帯には該当しませんが、入院の予約なしで、初めて受診されたその日に入院となった方が、146名に達しました(これら以外に、159名が、予約の上で一般精神科病棟に入院されたことになります)。

このように、入院が必要な患者さんには、できる限りその日に応じるべく、努力しております。そして、集中的な治療を行い、できるだけ短期間で退院していただけるように努めています。しかし、一般精神病床数が100床と少ないために、重症者用の部屋に空きがなくなり、他の病院にお願いすることが、稀ながら生じております。今後も続くと思われます、県内のニーズに対して、より適切に対応できるように、病棟構造をさらに改善することなどを検討しております。

今年度における最大の課題のひとつは、来年度から始まる、医師の卒後臨床研修制度への対応です。当センターでは、「秋田大学医学部付属病院卒後臨床研修センター」の「臨床研修協力病院」となり、精神科臨床についての初期研修を分担する予定になっております。医師の負担が増えることになりますが、当センターにおける精神科医療の向上に役立つように努力する所存ですので、患者さんと御家族の御理解をいただきたいと存じます。また、池田小学校事件を契機にして法案審議が進められてきました、「心神喪失者等医療・観察法(略称)」が成立いたしますと、当センターでの精神科医療にも影響を及ぼし、これまでにはなかった、種々の難しい問題に直面する可能性があります。今後とも皆様の一層の御支援をお願い申し上げる次第です。

(センター副所長:飯島 壽佐美)

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