センターについて


about

リハセンだより第36号(2007年7月発行)

秋田のこれから、リハセンのこれから

副所長:佐山 一郎

去る6月5日、創立100周年を迎えた秋田商工会議所の記念行事として、特別講演会があり参加させていただきました。

ベストセラーとなった、かの「国家の品格」の著者、藤原正彦氏を迎え、同会議所会員と一般を合わせ千名以上の聴講者が会場を埋め尽くしました。ユーモアを交えながらも歯に衣着せない物言いに会場は爆笑とその小気味よさに酔い、あっと言う間の1時間30分。『日本のこれから、日本人のこれから』と題した講演は、「国家の品格」をはじめ、著書にも書かれた、自身の家族とその有り様、自身の生い立ちと留学経験にも触れながら彼の持論を展開しました。そして、「現代日本がこのままでは後戻り困難な社会状況となる」、「そこで生活する日本人の将来も危うい」と警鐘を鳴らし、踏み留まる術があるとすれば、それは論理や理屈ではなく日本2千年の歴史に育まれた精神性に依拠した心、すなわち「情緒」によると強調されました。藤原氏の講演に耳を傾けていた私自身は、彼の話に当てはめて、秋田のこれから、リハセンのこれからを考えずにはおれませんでした。地域の生活を支える行政、なかでも超高齢化が進む上で欠かせない公的医療(いわゆる不採算医療)や県民福祉の問題は、県当局が今必死で取り組んでいる行財政改革だけでは解決困難な情勢に至っているように思われてなりません。人減らしや給与カットという手法、効率を求める手法が医療や福祉にも向けられています。これは詰まるところ、県民へのサービス低下、さらには医療・福祉の地域崩壊に至るのではと、私の思考は負のスパイラルに陥ります。

このような困難な状況のもと、はからずも副所長を拝命致しました。その私に出来ることも限られていると自覚しております。障害医療のプロとして、患者さんの良き治療者・相談者として歩み続けるのは勿論です。かなうことなら、センターの責任を担う1人として職員や県民の皆様と共に県民医療やセンターの今後を考え、タテマエやきれい事のみに囚われることなく、またそのために右顧左眄せず、職責を尽くす所存です。よろしくご指導ご鞭撻をおねがい申し上げます。

7病棟:介護講座の紹介

7病棟では、病気の理解を深め、対応の仕方や利用できる制度・資源を学ぶことで、不安を軽減して、介護の悩みを自分達だけで抱え込まないよう支援することを目的に、ご家族を対象に、年5回介護講座を開催しています。
介護講座修了後は精神科作業療法士と協働で病棟レクリエーションを行い、ご家族の方も参加しています。

写真:7病棟介護講座

5月23日(水曜日)に第1回目の介護講座を開催しました。「認知症高齢者への対応について:こんな時はどう接すればいいの?」というテーマで、7家族10名のご家族が参加してくださり座談会形式で行いました。ご家族の方からは「常に目が離せなかった」など在宅での状況や、行動異常へのとまどいなど、色々な体験や、苦労された話が聞かれた反面、 認知症について情報を得るために、テレビを観たり、講演会に参加しているというお話も聞くことが出来ました。『介護に悩んだり、疲れたりしているのは自分だけではなかった』という感想も聞かれました。病棟レクリエーションで、5月生まれの患者様の誕生会を行い、ご家族にも参加していただき、歌や即興の手踊りで笑いあり、涙ありと賑やかな時間を過ごしました。

ものわすれ外来に通院しているご家族様の参加も歓迎します。
希望される方は外来看護師にお伝え下さい。

(7病棟担当:保坂・秋林)

リハセン2007年度行事予定

写真:納涼祭
  • 納涼祭:8月30日(木曜日)
  • 運動会:10月25日(木曜日)
  • クリスマス会:12月20日(木曜日)
  • リハセン祭:2007年10月20日(土曜日)

詳細は後日リハセンだより等でお知らせいたします

精神科病棟野外レクレーション

今年も精神科病棟、デイケアの野外レクが行われました。

5月23日、精神科病棟合同で千秋公園のツツジを見に行きました。

参加者は患者様25名、職員13名で、当日は天候にも恵まれ公園の散策には気持ちの良い1日でした。

デイケア野外レクリエーション

デイケアでは4月27日、大潟村に行きました。参加メンバーは8人です。
桜のピンクと菜の花の黄色が一面に続きとてもきれいでした。

業務紹介:外来部門

写真:外来部門

医療を取り巻く環境が大きく変化し、それに伴い状況は年々厳しくなっています。少子高齢化社会に伴い秋田県でも30年後は65歳以上が4割を超えると言われています。総医療費の抑制の必要性が叫ばれている今、医療に対するサービスを低下させることなく様々なニーズに対して質の高い満足の得られる看護の提供が求められています。

当センターの外来は、リハビリテーション科、神経・精神科、認知症外来、その他特殊外来も併設しており、診療は多岐にわたっています。消化器科では胃瘻造設を行っています。毎週金曜日には半日コースでドックを行い日常生活能力を低下させる要因を早期に発見することを目的としています。

外来は4人の看護師と歯科衛生士、2人のクラークが連携をとり日々の業務にあたっています。外来患者様に対して個々の生活の場で、適切に自己の健康管理ができるよう病気の悪化防止、家庭や職場の環境問題、介護面における相談への対応・指導を行うなどの看護を展開しています。また同じ患者様に対し同じ看護師が継続的に関わり、外来から病棟へも情報を提供し継続看護の充実を図っています。

外来では待ち時間短縮に努めると共に、時間を有効に活用できるよう他部門との連携強化し、外来患者様に満足のゆく看護ができるようスタッフ一同日々努力したいと考えています。

シリーズ高次脳機能その1

見えているのに見えない?

右側のおかずばかり食べて左側の皿には手を付けようとしない、車いすからベッドに移るときの左側のブレーキのかけ忘れやがある。このようなケースを見たことがあるでしょうか?。

脳卒中などの重要な後遺症の1つに、半側空間無視という症状があります。自分の身体や目で見た情景の片側、あるいは奥行きなどの空間の情報処理がうまくいかず、片側、特に左側からの刺激に気が付かないため反応できなくなるわけです。目が見えなくなっているにではありません。

半側空間無視は右脳損傷の場合に多く、従って左片まひを伴う人に多く見られます。ヒトは右側空間は左右両方の大脳で処理しますが、左側空間の情報処理はほぼ右脳だけで行われているため、といわれています。

半側空間無視の患者さんは、自分ではその症状に気付かないことがほとんどです。日常生活で左の注意が足りないと感じたときは、半側空間無視を疑い検査を受けてみましょう。

今回のおすすめの一冊

橋本 圭司著「高次脳機能障害」PHP親書

編集後記

あと少しでわか杉国体、わか杉大会が始まります。

リハセンからもいつか障害者のスポーツ大会で活躍する人が出るといいなと思う今日この頃です。

ページトップへ戻る