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リハセンだより第21号(2003年10月発行)

痴呆症患者における家族の介護負担

痴呆症患者では認知機能障害に加え、多彩な行動障害や精神症状、広範な日常生活活動の障害が生じるので、他の要介護患者とは質、量ともに異なった介護が必要です。このため、痴呆症患者の介護においては、介護者に多大な精神的・肉体的な負担を強い、介護に伴う困惑感や過負荷感などの犠牲感、日常習慣の障害など介護者の日常生活の変化、経済的困窮、役割負荷、健康障害など、介護者の生活に大きな影響を及ぼしています。

欧米では、介護から派生する影響を負担(バーデン)という概念で捉え、それらを評価する方法や要因の研究が既に行われています。家族の負担に影響を及ぼす要因として、一方では、認知機能障害や日常生活動作との関連はなく、問題行動や精神症状の強さが負担と関連すると、患者側要因を重視し、もう一方では、患者の認知機能の重症度、身体症状、行動障害、精神症状、日常生活動作との間には関連がなく、介護者の有している対処能力、介護者に役立つ社会支援などが負担と関連すると、介護者側の要因を重視しています。介護者の負担の増大は痴呆症患者の入院や入所、介護者のうつや不安、あるいは痴呆症患者に対する暴力などの負の転帰に関連しているばかりでなく、痴呆症患者の精神症状や直接的な病状の経過にも影響することが知られています。

最近、日本語版ザリット介護者負担インタビューが作成され、本邦においても痴呆患者の介護者の負担が検討され、その結果、介護者の負担は患者の年齢、性別、原疾患とは関連がなく、患者の認知機能、痴呆の重症度、日常生活活動、精神症状と有意に相関し、日常生活活動の障害と多彩な行動障害や精神症状が介護者の負担の有意な予測因子であることが示されています。

リハビリテーション科が診療を行っている開放型痴呆病棟では、痴呆症患者に対しての早期診断、薬物治療やリハ的アプローチだけでなく、日本語版ザリット介護者負担インタビューを用いながら、介護者の負担を適切に評価し、できるだけ早期から適切な介入を図る努力を行っています。その結果、介護者の負担の軽減のためには、介護者教育により介護者が診断・予後や介護法などを熟知するとともに、介護者家族間の協力体制の確立、家族会などの支援グループへの参加、デイサービスやショートステイなどの社会資源の利用などが重要であることが明らかになっています。

(リハビリテーション科長:下村 辰雄)

2003年9月「精神科病棟初の合同野外レク:梨・ぶどう狩り」

今までは解放病棟のみで行っていた野外レクを閉鎖病棟も一緒にどうかと言う話が今年の春ころから出ていました。そしてこの秋(9月18日)第1回3病棟合同野外レク、梨・ブドウ狩りが行われました。

総勢24名で天王町にある加賀谷農園に行ってきました。園内では皆かごを持ち、食べる分だけの梨やぶどうをかごに入れておりました。ぶどうの甘い香りが漂っていました。

昼食は天王グリーンランドの広い芝生で食べ、鯉を見たり、ソフトクリームを食べたり、グループ散策を楽しみました。「広いところは気持ちいい」「入院中に野外レクが出来るとは思わなかった」「楽しかった」等の感想が聞かれました。今回の事が少しでも生活への意欲が持てるように、動機づけなってくれれば嬉しいです。

2003年8月「リハセン納涼祭!」

8月21日(木曜日)に第6回目となったリハセン納涼祭が行われました。

当日は、残暑が厳しく、蒸し暑かったのですが、豪華?賞品有りのゲームコーナーや、カラオケ大会、職員有志によるエアロビのダンスなど、内容盛りだくさんで、楽しい一時を過ごすことが出来ました。気分転換にもなったかな?

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