センターについて
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リハセンだより第44号(2009年7月発行)
着任に当たって思うこと
事務部長:佐藤 寿美
5月1日付けで事務部長を命じられました。よろしくお願いいたします。
秋田県立リハビリテーション・精神医療センターは開設して13年目を迎えましたが、今年度は、節目となる年ではないかと思っております。
その理由の1つ目は、地方独立行政法人による運営がスタートしたことです。
この4月、地方独立行政法人秋田県立病院機構が発足しました。私ども、リハセンは、秋田県の直営ではなく、機構が運営する病院となりましたが、県立病院として、これまで以上に、県民の皆様に頼りにされるリハセンとなるよう、決意を新たにしております。
2つ目は、財団法人日本医療機能評価機構による病院機能評価です。リハセンでは、2002年度に認定を受けておりますが、本年9月に期限を迎えます。このため、自らのサービス提供のあり方などについて、改めて自己評価するとともに、客観的な立場からの審査を受けております。
この1連の経過の中で明らかになった問題や課題を改善・解決することにより、リハセンが提供する様々なサービスの質の向上を図ってまいります。
3つ目として、リハセンの診療を支える医療情報システムの更新があります。患者さんに御迷惑をお掛けしないよう、細心の注意を払いながら七月から新システムを稼動させています。このシステム更新により、スピーディで安全・確実な医療サービスが提供できる基盤を確固たるものといたします。
以上、今年度がリハセンにとって節目の年になると考えられる理由を3点、申し上げました。
リハセンを1隻の船に例えてみると、「リハセン丸」は、就航して13年目に、独法化という新しいエンジンに取り替えたと言うことができます。
社会・経済の状況や医療を取り巻く環境が厳しさを増している今日、このエンジンを上手に回して、リハセン丸が、安全に、また、時代の変化に対応しながら航海を続けらるようにしたいと考えております。
この船には、病気や障害で苦しんだり悩んだりしている患者さんや、その御家族の方々が、お客様として乗ってこられます。私どもは、お客様に、医療サービスを提供したり、地域の保健・福祉の分野との橋渡しをしております。
リハセン丸が提供するサービスの質を向上させるためには、外からのアドヴァイスを得ることも重要ですし、また、効率的にサービスを提供できる環境を整えることも必要です。
新しいエンジンを装備したリハセン丸の船出と、2点目、3点目の取組の時期が一致したことにも、意味があるように思われます。
患者さん、御家族の皆さんから、「いい船に乗って良かった。」、「病気や障害はあるけれども、また、家庭・地域での生活に戻ることができた。」と評価していただけるよう、リハセン丸の乗組員(=職員)一同、力を合わせ、努めてまいりたいと考えております。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
インフルエンザで気をつけるべきこと
リハビリテーション部長:中澤 操
はじめに:北米大陸で3月頃発生したと言われるH1N1インフルエンザが現在フェーズ6:パンデミック(世界的規模の感染状態)となっています。この新型インフルエンザは2から3年かかって世界の人口の3分の1が感染し、「普通の季節性の」インフルエンザになるであろうと推測されています。こうやってインフルエンザは「新型発生」を繰り返してきました。そういう意味では、新型だろうが旧型だろうが、気をつけるべきことは同じです。WHOの2009年5月13日の記事をもとにまとめてみました。このリハセン便りは捨てないで何度も復習していただけると幸いです。
質問1:インフルエンザはどのようにうつりますか?
答え:飛沫感染と接触感染です
飛沫感染とはウイルスが人の分泌物にくっついて他の人にうつることです。咳やくしゃみ1回で10万個から20万個のウイルスが拡散します。咳やくしゃみはテイッシュやガーゼなどで鼻と口を抑えて周囲にばらまかないことが大切です(咳エチケット)。
接触感染とは、ウイルスが指についていて、そこからうつることです。たとえば、感染した人が素手で口を押さえて咳を止め、その手を洗わずにエレベーターや部屋のスイッチを押し、次の人が同じスイッチを押し、その手で鼻や口に触るとうつります。
スイッチや机上のウイルスは2時間から8時間なら生きているといわれます。手洗いが重要といわれるのはこのためです。
質問2:うつらないために気をつけることは何ですか?
答え:
- 発病している人からは少なくとも1メートルは離れる(飛沫)
- 自分の口や鼻に触らない(接触)
- 手洗い励行、口や鼻に触った前後は特に(接触)
- 発病している人との接触をなるべく短時間にする(飛沫)
- 人混みにできる限り行かない(飛沫)(接触)
などです。
質問3:もしかかってしまったらどうすればいいですか?
答え:いい質問です、このほうが大切かもしれません。
- 体調が悪いときは自宅に居て、外出や出勤や登校を避ける
- 他の人には1メートル以内に近づかないように心がける(飛沫)
- 咳エチケットを守る:質問1の答えを見て下さい
- そのとき使ったテイッシュやガーゼやハンカチは、すぐに捨てるか洗い、手についた分泌物は直ちに手洗いで流す(接触)
- 自分がインフルエンザにかかったことを周囲に知らせ、近づかないようにしてもらう(飛沫)
これは大切ですね。
質問4:ワクチンはどうなりますか?
答え:季節性インフルエンザ(従来のインフルエンザ)はシーズン前に流行の型を予測してワクチンを製造します。6カ月かかります。現在新型インフルエンザといわれているH1N1もワクチン製造が開始したところです。接種方法は秋ごろ明らかになるでしょう。次の秋冬は、従来の型と新型と両方のワクチンが必要になるかもしれません。
4月から地域医療連携科が発足しました。
ご挨拶
地域医療連携科科長:高橋 祐二
2001年4月当センターの独立行政法人化と同時に地域医療連携科が発足しました。職員は4人体制で、私と鈴木文子看護師長、高橋敏弘主査(作業療法士)、小笠原美央子(任期付き職員)となっています。現在のところはまだ準備段階にあるという状況で、他の医療機関へ伺って情報を提供していただいたり、センター内における当科への要望を確認しているところです。
目指す機能としては、地域連携ネットワークへの参加があります。まずリハビリ医療の地域連携に着手しているところで、ファクスを利用した入院の予約を始めようとしています。また、リハビリについての地域連携クリニカルパスの作成について参加させていただいているところです。精神医療についても今後私たちにできる役割を果たすようにしていきたいと考えています。求められる役割は色々あろうかと思いますが、今はまだ右も左もわからない状態です。他の医療機関の方々にも何かとご迷惑をおかけするかと思いますが、どうぞご指導の程をよろしくお願い致します。