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うつ病の病態と治療方針の説明

うつ病は脳の中の物質の変化のより、脳の中の心身の活動エネルギーのセンターの消耗、エネルギー枯渇により起きる病状です。俗に100人に3人近くがかかる病気とされます。気が晴れなく、弱気になる、おっくうで疲れやすく、仕事ができなくなる、食欲がなく、体がだるく、苦しく、夜も眠れないなどの症状が一度におそってくるのでとんでもない重病にとりつかれたと勘違いする人が多いのですが、基本的には良性で、よく治る病気です。

さて、治しかたですが、携帯ラジオの電池切れを想像してみてください。乾電池が無くなってくると、音は小さくなる、雑音は入る、選曲も上手く行かなくなる、あちら、こちら、同時にまずくなってしまいますが、実際はただの電池切れですので、乾電池を入れ替えれば簡単に元通りになります。しかし、人間の脳は充電池式で取り外しできません。生活しながら充電してやる必要があります。例えば、エネルギーのタンクを図のような風呂桶のような形だとします。点線まで入っているはずのエネルギーが下の斜線の部分まで減っています。ですから、この風呂桶にまた水がいっぱいになるようにすればよいのです。

具体的には、上のほうにある蛇口をいっぱいに開いて水を勢いよく、流し込んでやります。この働きをするのが抗うつ薬です。いくら、上から水を入れても、下の排水孔からもれては水は貯まりません。しっかり、栓をする必要があります。これが安静です。したがって、薬を上手に工夫して最もエネルギーが貯まりやすくし、無理をしないで安静を心がけるのが上手なこの病気の治し方です。

よくある病気なので、この病気の先輩もたくさんいます。皆さん、今のあなたのように、「治らない病気でしょう」と初めは悲観しています。しかし。治って退院するときは「いやー治りましたね」と苦笑いしながら退院する人がたくさん居ます。あなたも先輩達を見習って、出来るだけ早く苦笑いして退院出来るように治療に専念しましょう。

イラスト:うつ病の治療イメージ

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